優良児童回想録

おにぎりはツナマヨ

ひとめぼれは3秒かかる

 


今思えばあれは堂々と「一目惚れ」と呼ぶんやろなと思う記憶が1つだけある。

 

高3のおわりにしていたアルバイト、入って数日経ったくらいのまだ知らない顔も多いある日。  

業務をこなすための部屋にいたわたし

ガチャッと音を音を立てて扉が開き 誰かが歩いてきた。

反射的に音がした方を見た瞬間、その「瞬間」だった。

うそくさい、うそくさすぎるが、

 

3秒。

 

他人は1秒で見えるその刹那を、私の目は3秒で捉えた。全てがスローモーションに動き、その男の人以外が若干ぼやけた。

 

かっこい!!!!!!!!!!!!

 

心臓がドカンって言った。瞳孔が見たい見たいって叫んだ。私の白目さえ侵食するくらいに。

衝撃を受けた。立ち尽くした。ちょっとこれは言い過ぎ。

 

しかしその後、恋愛感情と呼ばれるような好意は全くわかなかったから、一目「惚れ」ではないのかなあ。生で松田翔太を見ても多分同じ感覚かもしらんし

うーんでも、一目惚れが、一目だけの惚れ、つまりいちほれなら、したがって一瞬の「惚れ」ならば、やっぱり一目惚れと言って良いのかもしれない。

 

その男の人は やがてバンドマンになって、すごくダサい名前で活動してたから、一生惚れにならなくて良かったなと思う。